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ハコマワシ

671 本当にあった怖い名無し 2008/09/02(火) 07:33:21 ID:3fU0+Ms00
2ちゃん書き込んでたらなんか安心してきちゃったんだが、メモ打ってた時は死ぬほど落ちててヤバかった…
あー今夜もあの夢見るんだろうなと思うと鬱になる。

半年くらい前、怖い体験をした。心霊現象ではないが、かなり気持ち悪い体験だ。長くなると思うから適当に読み流してくれても構わない。

中学生だった頃、俺のクラスに霊感少女がいた。
家が神社だか何からしいのだが、概観は普通の家だったし、クラスのみんなは俺も含めて、彼女のことをうそつきだと言って苛めていた。
だが、からかい半分で俺の守護霊見て、とか俺の悩み事あてて、と言うと必ず信憑性があることを言われたり、悩み事を言い当てられたりして、皆には言ってなかったけど俺は彼女のことが少し怖かった。
卒業してからは高校も違った(というか、彼女は高校に行かなかったらしい)のもあり全然付き合いがなくなっていたし、今の生活が楽しくてすっかり忘れていた。

今では反省しているが、高校行き始めてからの俺は結構女の子を傷つけるような生活をしてた。
二股かけたり酷いふり方したり、相当恨みを買ってたんだが、ある日俺宛に小さな荷物が届いた。
中身は手編みの真っ赤なマフラーで、俺はてっきり俺のことを好いてる女の子からのものだろうと思ってニヤニヤしながら部屋に持ち帰った。
部屋の戸をしめた時に、何か変な、なまあったかいような空気が頬にかかったが、気にせずにマフラーを広げてみた。
くるくる巻かれてたマフラーが伸びると同時に、床にごそりと何か変な固まりが落ちた。
よく見ると、胴回りが腕の太さほどもある、でかいわら人形だった。
よく見ないと解らなかったのは、錆びた釘がダンゴになるくらい打ち込まれていたからだ。
俺はゾッとして、思わずわら人形を足で蹴って机の下に追いやってしまった。
オカ版はよく見るけど臆病だし、自分にこんなことが起きたのは初めてで、心臓がバクバクいってどうしたらいいかわからなかった。
とりあえず友達に電話したんだが、みんなウソつけwwwとか言って笑って相手にしてくれない。
 

672 671 2008/09/02(火) 07:35:23 ID:3fU0+Ms00

言い知れない恐怖というか、気持ち悪さみたいなので背中が震えて、ふと頭に浮かんだのが中学時代の、例の霊感少女のことだった。
卒アルと文集を引っ張り出して、彼女の自宅の電話番号に電話してみた。
本当だったら近所の神社とかに持っていけばそれでよかったかも知れないんだが、動転しててそういう発想は出てこなかった。
電話に出たのは霊感少女(Sさん)だった。
俺は慌てて名前も名乗らずに「う、うちにわら人形届いて、赤いマフラーが、それが・・・」とわけのわからない説明をしたんだが、Sさんはすぐに「○(俺の苗字)くんですよね?今日これから行って大丈夫?」と聞いてくれた。
今日は親も仕事で遅くなるらしいので、藁をも縋る思いで頷きながらウンウン言った。
彼女は午後の3時くらいには家に行けそうだと言うので、目印になるガススタで待ち合わせすることにした。
電話を切ったあと、俺はとにかく部屋にいたくなくて、エロ本だけさっさと片付けてから部屋を出て居間でハラハラしながら時間が来るのを待ったんだが、上の部屋(居間の真上が俺の部屋)から、コツコツとへんな音がする。
怖くなってテレビつけてみるが、音はだんだんでかくなった。
足音とかじゃなくて、ごん、ごん、って感じの、何か床に叩きつけてるみたいな音だった。
部屋を見にいいこうかどうしようか悩んでるうちに約束の3時が近くなってしまったので、近所のガススタに行った。
歩いて少し冷静になってくると、俺にあんなものを送ったのが誰なんだろうとかそういうのが頭に浮かんできて、腹が立ってきた。
3時少し前になって、Sさんが原付に乗ってやってきた。
Sさんは中学時代の面影も少しあったが、切れ長の美人になってた。
秋にしてはでかくて厚そうなコート着てて、足元はなんか、着物?みたいな感じでひらひらしてた。
家までの道で、とりあえずの状況と、変な音がするのをSさんに話した。
Sさんは原付を押しながらうんうんと頷いてたが、怖いくらい何も喋らなくて少し気味が悪いと思った。
 

673 671 2008/09/02(火) 07:36:36 ID:3fU0+Ms00
 
家に着くとSさんが厚いコートを脱いだ。コートの中には思った通り着物を着てたんだが、巫女さんとかそういう感じじゃなくて、変な目玉?というか丸とかぐるぐるした模様がある着物(袖とかえりに{}をつないだみたいなのがあった)で、見慣れない感じの着物だった。
本格的だなぁ、この人ならなんとかしてくれるかも、と思った。

説明は歩きながらしたし、Sさんが「上ですよね、案内してください」というので、ハラハラしながら自分の部屋に案内した。(ごんごんいってた音は止んでた)
部屋の中は生暖かくてやな感じで、机の下に相変わらず釘ダンゴになったわら人形がある。
昨日掃除したばっかだったから部屋は綺麗で、Sさんは机の前に座って、和紙みたいなのにわら人形を乗せて机に上げた。
「あ、あとマフラーが…」と床に落としてたマフラーを指差そうとしたんだが、マフラーが部屋に見当たらない。探してもどこにもない。
Sさんはとりあえずマフラーはいいので水を持ってきてください、と言ったので、首を傾げながらもヤカンに水を入れ、部屋に戻るとSさんが机の前であぐらをかきながら、わら人形を睨んでいた。
変な呪文とか祈祷とかするんじゃないかとドキドキしたが、Sさんは座ったまま動かない。
10分くらいして漸くSさんがふーっと息を吐いたので俺「あ、みず…ここ置いといていい?」と聞くと、
Sさん「貸してください」Sさんはヤカンを持って、もう片方の手に小さなビンを持って、ビンを握りながらワラ人形に少し水をかけた。(Sさんが持って来た)
俺は斜め後ろに正座してそれを見てたんだが、改めて見るとワラ人形の胴体が不自然に膨らんでいて、Sさんはそれに水をかけてるようだった。

674 671 2008/09/02(火) 07:37:54 ID:3fU0+Ms00

その後、着物の中から変な、彫刻してある棒みたいなのを出して、小さいビンの中に入ってた水みたいのを棒ではねさせてワラ人形にかけた。それから、指で一本一本ワラ人形の釘を引き抜いていったんだが、最後に残った一本だけがどうしても抜けないようだった。
Sさんが「抜けますか?」というので気持ち悪かったが釘を引き抜こうとしてみたけど、ワラにしては固い何かに刺さってるみたいだった。
結局Sさんにカッターを貸して、ワラ人形の腹を開いてもらったら、釘の刺さった、5センチ四方くらいの小さな木箱が出てきた。
異様だったのは、木箱が長い髪の毛でぐるぐる巻きにされていた事。
Sさんはそれもカッターで切って開けようとしてるので、さすがにびびって「大丈夫なんですか?」と聞いてみたんだが、Sさんは軽く「平気平気」と言いながら髪を切り、箱を開けた途端に、異様な匂いがしてきた。
箱の中には、何か白いティッシュのようなものが入ってた。
Sさんが持参した箸みたいなもので器用に摘み出すと、血みたいなものがこびりついたティッシュだった。
生臭いみたいないやな匂いがする。
「非常に言いにくいんですが、…これは多分経血だと思います」
Sさんにそう言われて、俺は吐き気がした。
箱の中からは次々と、マニキュアが塗られたまま爪切りで切られたらしい爪と、血(多分経血なんじゃないだろうか)にからまってガビガビになった髪の毛の固まりが出てきた。
吐き気のする匂いでクラクラしていると、Sさんはそれらのものをさっきの小さいビンに入れて、箱を閉じた。
Sさん「これで多分大丈夫だと思います。
ただ、今日から一週間くらいは、なまぐさもの…お肉とか魚とか、そういうのは食べないで、苦手でなければ日本酒を沢山飲んでください。ちょっと一休みしたら、説明しますね」
Sさんがにこにこ笑顔を作りながら言うので、俺は安心したのと気持ち悪いのとで、早く部屋を出たくて堪らなくなって、居間に下りた。Sさんも切ったわら人形や釘をビニール袋にいれて、すぐに降りてきた。
  まだ続く

675 671 2008/09/02(火) 07:38:55 ID:3fU0+Ms00

水を飲んで一息ついたら、大分気分は楽になった。
Sさんが大まかな説明をしてくれるというので、ビニール袋に入ったものはできるだけみないようにしながら聞く事にした。

開口一番、Sさんに「Y町の△って部落に住んでる方、ご存知ないですか?」と言われた。
確か二年くらい前に付き合ってた彼女が、そこの出身の子だった。
可愛いけど嫉妬や束縛が強くて、3ヶ月も付き合ったら嫌になってしまい、別れたのだがそれからも何回も電話が来たりした。
最近は来なくなってたのだが、そのことを言うと、この人形を送ったのはおそらくその子だろう、と言われた。
俺は腹が立って、すぐにそいつを呼び出そうかと思った。
が、Sさんは言葉を強くして、
「今後一切、その彼女さんに干渉しないでください、町で会っても電話が来ても、絶対に声をかけたり、睨んだり意識したりしないで、とにかく無視してください。
今後、似たようなものがまた送られてくる可能性は十分あります。
彼女がこのまじないに対する知識を増やせば増やすほど、影響も強くなると思うんです。
もし送られてきたら、意識を逸らして、できるだけ彼女のことを考えないようにしてください。
そうしないと、私なんかじゃ対処できない状態になります。」
以下は、Sさんがわかりやすく説明してくれた事を書き出してみる。

676 671 2008/09/02(火) 07:39:54 ID:3fU0+Ms00
 送られてきたものの、わら人形部分はほとんどカムフラージュというか、送った本人が見た目の迫力を出すためにやった事だろう。
 問題は腹に入ってた箱で、Y町の付近にはハコマワシという独特の豊作を願うおまじないがある。
小さい箱の中に豊作を願うお供物を入れて、畑や田んぼに埋めるおまじない。
簡単にいうと、願い事を象徴するもの(家を丈夫にしたいなら丈夫な木の枝、田んぼの豊作ならお米、畑の豊作なら育てる農作物とか)を箱に入れて、影響を及ぼしたいもの(畑や田んぼ、家の土台など)に埋める民間のまじないらしい。
今でもやってる家が多いのが△という部落。
 経血や髪やお洒落した爪は性や嫉妬の象徴で、それを影響を及ぼしたいもの、つまり俺に送ったらしい。
本当なら凄く怖いまじないというか呪いなのだが、見聞きした形だけを真似したものらしく、おまじないの作法も道具もめちゃくちゃなものだったらしいから「平気平気」だった。
が、送った彼女が作法や道具などの知識をもって改めてこれを送ったら、よくないことが起こる。
 が、もともと家主と家、地主と畑などの関係があるから成立するおまじないで、関係のない人が関係のない土地に埋めても効果がない、ので、彼女のことをできるだけ考えないようにして、忘れてしまえばいい。

 おおまかに言うとこういう事らしい。
もともと俺の住んでいる地域はY町含めてへんな行事やまつりが多い場所で、Sさんいわくこの他にも今回みたいに呪いに転用できそうなまじないは沢山あるのだそうだ。
 一通り説明した後、Sさんは俺に紙に包んだ塩をくれた。
夜になったら部屋に撒くように言って、そのまま原付に乗って帰っていった。
後でSさんから聞いたのだが、あのわら人形や箱とその中身はY町の△部落の河原に埋めて返してきたそうだ。

677 671 2008/09/02(火) 07:40:41 ID:3fU0+Ms00

夜になって塩を撒いたのだが、時間がたつと俺はだんだん半信半疑になってきた。
考えないようにと言われても送った彼女の事が気になるし、腹もたつ。
今となっては本当にバカとしか言いようがないのだが、肉も魚も普通に食って、もやもやしたまま眠った。

本当に恐いのはその夜だった。
例の彼女と付き合ってた頃の夢を見たのだ。
バレンタインにデートしようと待ち合わせをしてる場面だった。
豪雪で、雪を掻き分けながら待ち合わせ場所に向かっている途中、不意に彼女が後ろに現れたかと思うと、赤いマフラーでぎりぎり首を締めてきた。
胸が苦しくなって、むかむかして気持ち悪くて、抵抗しようとしても何時の間にか体が埋まるほど雪が積もっていて、もがきながら苦しんだ。
いよいよ意識が遠のいて、はっと目が醒めると、汚い話だが寝ゲロをしていた。
仰向けで寝ていたので嘔吐物が喉に詰まって、咳き込みながら起き上がった。
首には特に痕も傷も無かったが、やけにリアルな感覚が思い出されて気持ち悪かった。

その夢が毎晩続いて、吐いて目が醒めるを一週間ほど繰り返したある日、目が醒めたら病院のベッドに居た。
夜中に俺の部屋からゴンゴン音がして、様子を見にきたら嘔吐物を口に詰まらせて窒息してたんだそうだ。
親が俺の携帯から知り合いに連絡を入れたらしく、何人かの友達が見舞いに来た・・・その中にSさんが居た。
 もうすこし続く

678 671 2008/09/02(火) 07:41:59 ID:3fU0+Ms00

Sさんは全部見通したみたいな目で一言「なまぐさもの食べたでしょ」と言った。
俺はその時まで、なまぐさものを禁止されたのをすっかり忘れていて、あっ…という顔をしたら、Sさんは呆れたように溜息をついた。
「経血や髪や、人間のからだの一部を仕込んだ人形っていうのは必ず何かおかしなものがとりつくものなんです。
なまぐさものを禁じたり日本酒を勧めたのは、そういうものから体を守る為なんです。」
 俺はようやく今回の事の恐ろしさに気付いて、夢の事も全部Sさんに話して助けを求めた。
Sさんは「とにかくこれからは、私の言うことを必ず守ってください。
病院食で魚やお肉が出た場合は、食べた後に必ず塩を指につまんで、喉から胸までなぞってください。
お酒は無理でしょうから、その代わりに水や利尿効果のあるものをできるだけ沢山飲んで、体の中を綺麗に保ってください」と、わざわざ紙にメモまでして渡してくれた。
それから俺に、「ちょっと体を起こしてもらえますか」というので、点滴をずらしながら体を起こすと、Sさんは俺の頭に触って、髪の毛の中から短い赤いへんなものを取った。
赤い毛糸の、千切れてぐちゃぐちゃになったものだった。
「いいですか、…これから先、彼女のことを深く考えたり、憎んだりという感情は持たないでください」
さらに、「これを言ってしまうと彼女を忘れようにも忘れられなくなってしまいそうだから言いたくなかったんですが、」と付け加えて、
「本当に恐ろしいのは、この手編みのマフラーなんです。今後、あらゆる場所で赤い毛糸があなたを監視してます。
あなたが彼女を憎らしく思う度に、赤いマフラーで首を締められる夢が続くはずです。
多分送った本人も思わぬ事だっただろうと思いますが、あのまじないよりも恐いのは、貴方に対する愛情やうらみつらみを込めて作られたこういうものなんです」
青くなった俺に、Sさんは更に続けた。
「もし部屋に、別れた他の女性からの贈り物があったら処分してください…手作りのものは言語道断、…既製品でもできるだけ。
…贈られたものには必ず思いとかが篭もってます、赤いマフラーに助長されますから。」
  次で最後。

682 671 2008/09/02(火) 08:18:57 ID:3fU0+Ms00

退院した後、俺は即効で元カノたちからの贈り物を処分したのだが、贈られたコップとか小物入れの中に、全部赤い毛糸が入ってた。毛糸が入ってたというか、赤いホコリみたいなのが付いていた。
毛糸をほぐすとあんな感じになると思う。
クッションのわたの中やぬいぐるみの中にも赤っぽいホコリが入ってた。
気持ち悪くて、部屋の中を隅々まで大掃除したんだが、それからも例の彼女のことばかりいつも頭に残って、よく首を締められる夢を見た。
その後、3ヶ月くらい前に寝不足で軽い鬱状態になって、医者から安定剤を貰ってからは、彼女を憎みそうになる度にそれを飲んでさっさと寝てしまうことにしている。
あれ以来女性のことが恐くて恐くてしょうがなく、付き合っていた彼女には正直に話して、バッカじゃねーのと罵られながら破局した。

Sさんには、あの夢を見ると時々連絡をしている。
時々お清めした清酒を持って来てくれたりして、こんな俺に親身になってくれている。
なまぐさものは退院から二週間後に解禁された。
ワラ人形についていたものは入院中にもっと弱った他の誰かの所へ行ってしまったそうだ…が、俺は怖くて未だに肉や魚を食べたいとは思わない。

今のところ例の彼女から新しいまじないの贈り物は来ないが、例の彼女を知る友人が話すには、最近彼女はおかしな事や、奇妙な言動ばかりで怖い、との事だった。

もうすこし続きがあるんだが、とりあえずここで終わらせておく。
長くてしかも文才無くて本当にすまなかった。読んでくれた奴、付き合いありがとう。
恋人からの贈り物には気をつけろ。

謎の箱と禍々しいもの

571 本当にあった怖い名無氏 2005/06/02(木) 14:21:42 ID:LSkTZHuR0
G県H市のある村に、ある家族が住んでいた。
寝たきりで99歳にもなる祖父、その孫で5歳のA、そしてその両親。
昼間、両親は働きに出ている。
Aはとても好奇心旺盛で家の中を遊びまわっていた。
ある日、Aが何気なくふすまを開けると天井裏に通じる板が外れていた。
家の中にも飽きてきたAはしまってある布団をよじのぼり、そこに入った。
周りは想像以上に暗く、恐怖心が湧き上がった。
しかし、好奇心が勝り更に進んでいった。
しばらく歩き回っていると足元に箱があることに気がついた。
「こんなところにあるくらいだから、きっとすごいものに違いない」とAは考え、入り口のほうに運ぼうとした。
しかし以上に重い。子供の頭ほどなのに10キロはありそうだ。
仕方なく引きずっていくことにした。
だんだん入り口に近づくにつれ、箱の側面が見えてきた。
真っ黒で、ところどころ白い。ふたは黒い紙で固定してあった。
さらに近づく。さらに明るくなってくる。
真っ黒だと思っていた側面は、白い箱に黒い文字がびっしりと
書かれているようだ。ふたの紙も同様。白い紙に文字がびっしり書いてあった。
振り向いて入り口の位置を確認する。あと1m位だ。もう一度箱を見た。
そこで、あることに気がついた。
箱の側面にびっしりと書いてある文字。
それはお経だった。
蓋についている紙はお札だった。

572 本当にあった怖い名無氏 2005/06/02(木) 14:22:53 ID:LSkTZHuR0
~続き~

そのとたん、Aの体に恐怖が電気のように走った。
そのとき、前方の暗闇から「ペタ・・ペタ・・」という足音がしてきた。
Aはとっさに「それ」を絶対に見てはいけないと思った。
振り向いて逃げようとしたが、恐怖で足が動かない。
どんどんこっちに近づいてくる。あと少しで「それ」に入り口の光が当たる。
そうしたら見えてしまう。あと少し・・・・・もうだめだ。
と思った瞬間、Aの体は入り口の穴に落ちていき、布団の上に落ちた。
Aが顔をあげると、そこには寝たきりのはずの祖父がいた。
わけもわからず唖然としていると、祖父はいきなり「去れ!!」と叫んだ。
Aは混乱してきた。祖父は再び「もう十分であろう!!」と叫んだ。
祖父の顔を見上げる。しかし祖父はAをみていない。
入り口を凝視している。正確には、入り口にいる「それ」を。
しばらくその状態が続いた。とても長い時間に思えた。
五分ほどして、祖父はAにゆっくり
「後ろを決して振り向かずに、わしの部屋へ行け。いいな。絶対に振り向くな」
といった。
Aはわけもわからずままさっとふすまから飛び降り、隣の部屋を目指した。
そこで呆然と立ち尽くした。
さらに五分後、祖父がよろよろと部屋に戻ってきた。
今にも倒れそうだ。Aは祖父を支え、布団に連れて行った。
祖父は横になると、ため息をつきゆっくりと話し出した。
「A、今のはな・・・わしの・・・」
とまで言ったとき、向こうの部屋でふすまが開く音がした。
そしてまた「ぺタ・・ぺタ・・」という足音が聞こえてきた。

573 本当にあった怖い名無氏 2005/06/02(木) 14:23:33 ID:LSkTZHuR0
祖父はいきなりAの手をつかみ、布団の中に引きずり込んだ。
99歳とは思えないほどの力だった。
今度は祖父の部屋の扉が開いた。祖父の体はガタガタと震えていた。
そして何かつぶやいていた。よく聞こえなかったが、
「すまない」「許してくれ」「この子だけはやめろ」
と言う風にきこえた。Aはそのうち気が遠のいて目の前がゆれてきた。
そのとき布団の隙間から「それ」の足がみえた。
腐っているかのような紫色でところどころ皮膚がずり落ちていた。
そのままAは気絶してしまった。
気がついたとき、Aは祖父の布団に一人で寝ていた。
時間はあのときから五時間も過ぎている。
祖父は・・・? Aが家中を探してもどこにもいない。
両親が帰ってきて、警察がでてきても見つからなかった。
一週間後どうしても気になり、Aが恐る恐るふすまを開けると、
以前あった入り口は完全にふさがっていた。
Aは安心してふすまを閉めようとした。
そのとき、Aは見てしまった。
厳重にしめられた入り口の戸に挟まっている、祖父がしていたお守りを。

八尺様

908 1/1 sage 2008/08/26(火) 09:45:56 ID:VFtYjtRn0
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗る
ようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行って
いないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこ
んなことだ。

春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで
行った。まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛
いでいた。そうしたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じが
した。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。生垣の上
に置いてあったわけじゃない。帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで
来ると、一人女性が見えた。まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。

でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだ
け背の高い女なんだ…
驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。

909 2/9 sage 2008/08/26(火) 09:46:59 ID:VFtYjtRn0
そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い
靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。

その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを
話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ~」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。

その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にあ
る電話まで行き、どこかに電話をかけだした。引き戸が閉じられていたため、
何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。あの女だって、自分から見に行った
わけじゃなく、あちらから現れたわけだし。

そして、「ばあさん、後頼む。俺はKさんを迎えに行って来る」
と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。

910 3/9 sage 2008/08/26(火) 09:48:03 ID:VFtYjtRn0
ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。じいちゃんが何とかしてくれる。何
にも心配しなくていいから」
と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してく
れた。

この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼ
ぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年
増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せてい
ること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区
分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、
八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、そ
の道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西
南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と
何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な
協定を結べれば良しと思ったのだろうか。

911 4/9 sage 2008/08/26(火) 09:49:15 ID:VFtYjtRn0
そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうち、じいちゃんが一人の老婆を連れて戻ってきた。

「えらいことになったのう。今はこれを持ってなさい」
Kさんという老婆はそう言って、お札をくれた。
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレの
ドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。

しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には
盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その
上に小さな仏像が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が二つも用意されていた。これで用
を済ませろってことか・・・

「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。俺もば
あさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。そう
だな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったらお前か
ら出ろ。家には連絡しておく」

と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守りなさい。お札も肌身離さずな。何かおきたら仏様
の前でお願いしなさい」
とKさんにも言われた。

912 5/9 sage 2008/08/26(火) 09:50:22 ID:VFtYjtRn0
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛
れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気
が全くおこらず、放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。

そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、目が覚めたときには、何だか
忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。
(この頃は携帯を持ってなかった)

なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く
音が聞こえた。小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような
音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつ
かなかったが、必死に風のせいだ、と思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり怖くて、テレビの音を大きくして
無理やりテレビを見ていた。

そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」

じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に全身に
鳥肌が立った。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。

913 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/26(火) 09:51:23 ID:VFtYjtRn0
一目散に仏像の前に座ると、お札を握り締め「助けてください」と必死にお祈
りをはじめた。

そのとき、

「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」

あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまで背が高くないことは分かっていたが、アレが下から手を伸ばして窓ガ
ラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。
もうできることは、仏像に祈ることだけだった。

とてつもなく長い一夜に感じたが、それでも朝は来るもので、つけっぱなしの
テレビがいつの間にか朝のニュースをやっていた。画面隅に表示される時間は
確か七時十三分となっていた。
ガラスを叩く音も、あの声も気づかないうちに止んでいた。
どうやら眠ってしまったか気を失ってしまったかしたらしい。
盛り塩はさらに黒く変色していた。

念のため、自分の時計を見たところはぼ同じ時刻だったので、恐る恐るドアを
開けると、そこには心配そうな顔をしたばあちゃんとKさんがいた。
ばあちゃんが、よかった、よかったと涙を流してくれた。

下に降りると、親父も来ていた。
じいちゃんが外から顔を出して「早く車に乗れ」と促し、庭に出てみると、ど
こから持ってきたのか、ワンボックスのバンが一台あった。そして、庭に何人
かの男たちがいた。

914 7/9 sage 2008/08/26(火) 09:52:24 ID:VFtYjtRn0
ワンボックスは九人乗りで、中列の真ん中に座らされ、助手席にKさんが座り、
庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。全部で九人が乗り込んでおり、八方すべ
てを囲まれた形になった。

「大変なことになったな。気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下
を向いていろ。俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。
いいと言うまで我慢して目を開けるなよ」
右隣に座った五十歳くらいのオジさんがそう言った。

そして、じいちゃんの運転する軽トラが先頭、次が自分が乗っているバン、後
に親父が運転する乗用車という車列で走り出した。車列はかなりゆっくりとし
たスピードで進んだ。おそらく二十キロも出ていなかったんじゃあるまいか。

間もなくKさんが、「ここがふんばりどころだ」と呟くと、何やら念仏のよう
なものを唱え始めた。

「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ…」

またあの声が聞こえてきた。
Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ、下を向いて
いたが、なぜか薄目をあけて外を少しだけ見てしまった。

目に入ったのは白っぽいワンピース。それが車に合わせ移動していた。
あの大股で付いてきているのか。
頭はウインドウの外にあって見えない。しかし、車内を覗き込もうとしたのか、
頭を下げる仕草を始めた。

無意識に「ヒッ」と声を出す。
「見るな」と隣が声を荒げる。

慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。

915 8/9 sage 2008/08/26(火) 09:53:50 ID:VFtYjtRn0
コツ、コツ、コツ
ガラスを叩く音が始まる。

周りに乗っている人も短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。
アレは見えなくても、声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。
Kさんの念仏に力が入る。

やがて、声と音が途切れたと思ったとき、Kさんが「うまく抜けた」と声をあ
げた。
それまで黙っていた周りを囲む男たちも「よかったなあ」と安堵の声を出した。

やがて車は道の広い所で止り、親父の車に移された。
親父とじいちゃんが他の男たちに頭を下げているとき、Kさんが「お札を見せ
てみろ」と近寄ってきた。
無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。
Kさんは「もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持ってい
なさい」と新しいお札をくれた。

その後は親父と二人で自宅へ戻った。
バイクは後日じいちゃんと近所の人が届けてくれた。
親父も八尺様のことは知っていたようで、子供の頃、友達のひとりが魅入られ
て命を落としたということを話してくれた。
魅入られたため、他の土地に移った人も知っているという。

バンに乗った男たちは、すべてじいちゃんの一族に関係がある人で、つまりは
極々薄いながらも自分と血縁関係にある人たちだそうだ。
前を走ったじいちゃん、後ろを走った親父も当然血のつながりはあるわけで、
少しでも八尺様の目をごまかそうと、あのようなことをしたという。
親父の兄弟(伯父)は一晩でこちらに来られなかったため、血縁は薄くてもす
ぐに集まる人に来てもらったようだ。

916 9/9 sage 2008/08/26(火) 09:54:54 ID:VFtYjtRn0
それでも流石に七人もの男が今の今、というわけにはいかなく、また夜より昼
のほうが安全と思われたため、一晩部屋に閉じ込められたのである。
道中、最悪ならじいちゃんか親父が身代わりになる覚悟だったとか。

そして、先に書いたようなことを説明され、もうあそこには行かないようにと
念を押された。

家に戻ってから、じいちゃんと電話で話したとき、あの夜に声をかけたかと聞
いたが、そんなことはしていないと断言された。
――やっぱりあれは…
と思ったら、改めて背筋が寒くなった。

八尺様の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭うことが多いということ
だ。まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態にあるとき、身内の声であのよ
うなことを言われれば、つい心を許してしまうのだろう。

それから十年経って、あのことも忘れがちになったとき、洒落にならない後日
談ができてしまった。

「八尺様を封じている地蔵様が誰かに壊されてしまった。それもお前の家に通
じる道のものがな」

と、ばあちゃんから電話があった。
(じいちゃんは二年前に亡くなっていて、当然ながら葬式にも行かせてもらえ
なかった。じいちゃんも起き上がれなくなってからは絶対来させるなと言って
いたという)

今となっては迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる。
「ぽぽぽ…」という、あの声が聞こえてきたらと思うと…

ダッガコドン

670 本当にあった怖い名無し 2006/05/25(木) 22:47:42 ID:2cjySD1+0
去年、私は仕事で失敗が続き、厄年は来年なのに何故だろうかと調べた末に前厄という
存在を始めて知り、すぐに会社に三連休を貰って遠い田舎の実家まで帰省をしました。
帰省して次の日に地元の七嶽神社と言う氏神の神社に行き、厄払いをしてもらったその夜。
皆寝静まった午前3時頃、私の帰省に伴い、急遽容易された敷布団は六月なのに冬並に
フカフカで、寝汗をかいて私は起きた。暑いけど、上の布団を取ったら寒いと言う変な状況の中、
ごろごろと寝返りをうってる内に完全に意識は覚醒してしまった。
天井を見つめてボーっとしてると、ふと声が聞こえてきた。始めは猫の声ではないかと思ったが
その声はだんだんと近づいてきて、しだいにハッキリと人間の声と分かった。
それは小学生くらい子供の声だった。この声はどうやら話し合ってるらしく、
子供特有の笑い声が確実に家の中から聞こえてきた。
今、家の中には明治生まれの祖父、そして叔母、親父、自分の四人しかいないはず。なのに何故?
はっきりと子供と認識できると共に、私に恐怖が襲ってきた。
だが、体はまるで蛇に睨まれた蛙の様に動こうとしない。
そうこうするうちに、子供達の声が私の部屋の襖の前で止り、そして音も無く襖が開いた。
そこからは顔がまったく同じ二人の小学校低学年くらいの男の子が私の部屋に入ってきて、
部屋のあちこちを詮索し始めた。しばらく詮索すると最初は私に目もくれなかった双子?の一人が、
私の方に顔を向けた。(ヤバイ)と思う間も無く、双子の一人と目があってしまった。

672 本当にあった怖い名無し 2006/05/25(木) 22:50:17 ID:2cjySD1+0
「あ、このひとおきてるよ」
「あ、ほんとうだ」
「どうする?」
「つれていこうか?」
「でもここにななたけさんがあるよ」
「じゃあやめとこうか」
「ばちがあたるけんね」
そんなやりとりの後、双子は壁の中に消えていきました。

部屋の机の上には、昼間に七嶽神社の神主に貰った大麻を置いていました。

翌朝、朝食の時にこの話をした所、祖父が静かに答えた。
「そらダッガコドンたい」

ダッガコドンと言うのはうちの地方に伝わる話で、部落内の子供達で遊んでいると、
いつの間にか一人、見知らぬ子供が混じっている。小さな部落内の子供達、皆知った顔の中、
明らかに部外者のこの子供をダッガコドンと言い、ダッガコドンが現れたら、絶対にその正体を
聞くことをしてはならず、すぐに解散して各自家に戻らなければならない。
もし正体を聞くような事をしたら、殺されるだの、ずっと遊んで家に返してくれないだの、
連れ去られるだのと言う気味の悪い話である。
この話は私も幼少から親父に聞いており、親父も子供の頃、実際に一度会った事あるらしい。

「でもダッガコドンって一人じゃないの?」

叔母が祖父に尋ねる。
祖父は語気を込めて言った。

「なんのひとっちこんのあっかよ。あっは死んだ子どんの本ちゃおっとたい」
(何の一人って事があるか。あれは死んだ子供の数だけ居るんだ)

祠の中

44 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 02:39:51 ID:1HiO5KuiO
俺が小学低学年の時、両親の離婚問題(裁判等)で、俺は夏休みの間、母方の田舎で爺ちゃん婆ちゃんと暮らすことになった。
ほんとド田舎で周りは田んぼと山。
まぁ当時ガキだった俺には、昆虫採集が出来て楽しかったが。
でも爺婆に『あそこだけは行ってはいけん!』と何度も言われた場所があった。
それは裏山の中腹にある祠(防空壕?)だった。

行ってはダメと言われれば、やっぱ行きたくなる。
ある日俺は、クワガタを捕りに行くと嘘をつき、その山に入った。

獣道を10分程登ると祠がある。

45 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 02:51:07 ID:1HiO5KuiO
その祠の入り口は横幅2メートル縦1.5メートル程で、白い綱が横方向に垂れ掛かっていて、それに白い布が数枚掛けられていた。
(力士の化粧回しぽい)

とりあえず、外から中を覗き込んだが、入ってすぐに数段の降りる階段があり、その先は少し広めの空間があるように見えた。

とりあえず、白い綱を股がり、中に入った。
入った瞬間に、夏なのに中はメチャ涼しい、てか寒いぐらいだった。
苔の生えた階段を降りると、外から見た通り、若干横幅が広がっていて、更に奥まで続いていた。
しかし、奥は真っ暗な上に、風の音が反響して、なんとも不気味で、昼間だったが、その時は怖くなり、すぐに引き返した。

47 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 02:59:16 ID:1HiO5KuiO
その晩、爺婆の約束を破った後ろめたさがあったのか、夢にまで祠が出てきた。
明くる日、どうしても祠の事が気になり、懐中電灯を片手に、もう一度、祠へ出向いた。
祠手前で周囲に誰もいないことをよく確認し、素早く入った。
階段を降り、直ぐ様、懐中電灯をつけ、奥を照らした。見たところ奥行きは10メートル程だろうか、、、もう少し前進しないとはっきり見えないが、何やら奥にも、入り口にあったのと同じような白い綱のようなものが見えた。
反響する風の音『ゴォー・・・』に合わせて、その綱が少し揺れているのが辛うじて見えた。

49 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 03:09:33 ID:1HiO5KuiO
急に怖くなって、また引き返そうと思ったが、好奇心も旺盛だったので、ジリジリと前進した。
出来るだけ懐中電灯を握った右手を前に伸ばして。

2メートル程進むと、白い綱がはっきり見えた。
更にその奥には木の観音扉があった。
『ただの変わった神社かな?』と思い、懐中電灯でその観音扉を照らしてみた。
その観音扉、閉まっているんだが、障子みたいな感じで枠組みがあるんだが、障子紙自体はボロボロで中が丸見え。

何やらお供え物があったであろう食器類や、蝋燭立て、そして中央奥に変色して所々緑がかった丸い鏡があった。

50 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 03:22:03 ID:1HiO5KuiO
なんかそこらの神社の境内と変わらなかったか、半分がっかり、半分安堵って感じで、引き返そうとしたとき、
『ゴォー・・・』と風の反響音と共に
『ギィ・・・』と軋む音がした。
振り返り懐中電灯を照らすと、観音扉が片方、ゆっくりと開きだし、
『パサッ』と白い綱も片方だけが落ちた。
俺は全身に鳥肌がたち、ビビりすぎて、声は愚か、一歩も動けなかった。
その時、観音扉の中の鏡のなかに何やら動くものが見えた。
小さな小さな白く動くものが・・・
懐中電灯の灯りが反射してハッキリは見えないが、何かが鏡の中で動いている…
いや、よく見ると、鏡の中ではなく、鏡に写る俺の頭部、の後ろ…
つまり、俺の後ろに何かいるのが鏡に映っていた。

52 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 03:38:46 ID:1HiO5KuiO
俺は膝はガクガク、身体中に悪寒が走り、振り返る事も出来ず、ただただ心の中で
『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、…』と何度も言った。
その白い何かは、しばらく俺の背後で活発に動いていた。はっきりとは見えないのだが、なぜか背後にピタリと寄り添うよういるのがわかった。
人影?のように見えた。
俺は鏡から目を反らすと、その瞬間にその白い人影?に襲われる気がして、目線から指先爪先まで微動たり出来なかった。

鏡越しに背後の人影は、激しく手?(腕)をメチャクチャな感じで振り回し、気でも触れたかのような感じで暴れているように見えた。
何分間、いや、ほんとに、時間の感覚が解らず、とりあえず『ごめんなさい、』と念じていたら、少しずつ、その白い人影は霧のように消えていった。

その瞬間俺は地面だけを見て、一目散に抜けかけた腰と、ガクブルな足で走って逃げた。
帰ってからも爺婆にはその事を告げなかった。
(約束を破ったことで怒られるのが恐く)

55 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 03:53:37 ID:1HiO5KuiO
結局、それ以来、祠へは行かず、夏休みが終わり、俺は母に育てられる事になり、母と二人で新たな町で生活することになった。

それから数年たち、俺が社会人になってから、爺が他界した。

もちろん葬式は田舎の爺宅で行われたのだが、爺の田舎では葬式の晩に、村の者が集まり、夜通し酒を飲み、明るく死者を送るしきたりがある。
俺も地元のオッサンらと酒を飲み、いろんな事を話しているとき、ふと祠について聞いてみた。

57 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 04:06:52 ID:1HiO5KuiO
『爺に、何度も祠には近づくなって言われたけど、なんかあるんですか?』
みたいな感じで。
すると、それまで騒いでいたオッサン連中の顔色があからさまに変わった。
『防空壕だ・・・』と一人のオッサンが言った。

しかし、べろんべろんに酔った地元の青年が
『あ、俺、あれの噂!ガキの頃聞いたことあるさ、昔、○○○゛○なオナゴさ、あそこに・・・』
すると、すぐ横にいたオッサンが『何バカな事言うとる!変な話するでね!飲み過ぎだオメー!』と、その若者を羽交い締めにして表へ連れ出した。
俺はすぐにピンときた、と言うか話が繋がった。

あの時、俺が振り向いていれば、今頃俺はここには存在しないだろう。
もちろん、その祠に入ったことは誰にも言ってない。

61 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 04:45:59 ID:1HiO5KuiO

あの時、私の背後には
『白い何か』
ではなく
『半狂乱な色白の女』
が両手をデタラメに振り回しながら立っていたのです。

あの祠に祀られていた彼女。

62 本当にあった怖い名無し 2008/04/15(火) 04:53:39 ID:1HiO5KuiO
一つだけ気になるのは、
彼女は最後、霧のように消えていったのですが、成仏したのでしょうか?

それとも、白い綱(今思えば白い綱に垂れ下がっていた白い布は呪符?)が外れたことにより、祠から解放され、今も何処かをさ迷っている、
あるいは、自分をそのような境遇に合わせた人物を探しているのでしょうか?

今でもあの日の事を思い出すと全身に鳥肌立ち、眠れません。

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